過失運転致傷罪の加害者の執行猶予付き判決を獲得(国選弁護)
初回面会の状況
前方不注意により歩行者に自動車を衝突させ、全治6か月の傷害を負わせた被告人より、実刑(拘禁刑、執行猶予なし)を回避したい、というご要望をいただきました。
解決への流れ
前方不注意により減速せずに時速30~40kmで横断歩道を進行し、歩行者に自動車を衝突させ、全治6か月の傷害を負わせたという事実は争わず、情状弁護により、執行猶予付き判決の獲得を目指しました。
被告人は、加入している保険会社を通じて被害弁償を進めながら、被害者との示談交渉が成立するよう努力しているところでした。被告人には、被害者に対して謝罪文を作成することを提案しました。
また、本件は、被告人の業務中の事故であったため、主に業務中の運転の機会を減らす方法を検討しました。被告人には同居している母親がいたので、母親には、身元引受人として被告人が安全運転をするよう充分監督する旨の誓約書を作成してもらいました。
公判期日では、保険会社の報告書、謝罪文、誓約書(身元引受人)等を証拠として提出しました。
検察官の求刑は、拘禁刑1年でした。弁護人は、執行猶予付きの判決が相当であると主張しました。裁判所は、拘禁刑1年、執行猶予3年の判決を下しました。
被告人には、実刑を回避できたので、この結果にご満足いただきました。
なお、被告人は、事故後起訴前に欠格期間1年の運転免許取消処分を受けました。
弁護士からのコメント
被害者との示談成立は大きな情状要素であるところ、本件では、保険会社を通じて被害弁償を進めながら、被害者との示談交渉が成立するよう努力していることが評価されました。また、被告人に同居している家族がいる場合は、被告人を監督する旨の誓約書(身元引受人)を提出することが、執行猶予付き判決を獲得するのに有効な手段となります。
過失運転致傷罪の刑罰の重さは、7年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です(自動車運転死傷処罰法5条)。被害者の怪我がそれほど重くなければ、略式起訴による罰金刑があり得るところ、本件では、全治6か月の傷害を負わせたので、起訴され、拘禁刑を求刑されました。


